病気やケガで会社を休まなければならなくなっても、「収入が無くなると生活できない・・・」という思いから無理して働こうとするかもしれません。
しかし会社を休む場合、申請すれば傷病手当金が支給される可能性があるので、ゆっくりと療養できます!
今回は傷病手当金が支給される条件、申請手順、注意点についてお伝えします。
傷病手当金とは
傷病手当金とは、会社を休まなければならなくなった場合、被保険者(保険の対象となっている人)とその家族の生活を保障するために設けられた制度です。
被保険者がケガや病気により会社を休んだ場合、その間の給与がない場合に支給されるお金のことです。

安心して休むことができる!
僕も体調を崩して休職したことがあり、その時に傷病手当金の申請を行いました。
傷病手当金が支給される条件
傷病手当金が支給されるには、次の3つの条件をすべて満たしている必要があります。
① 療養のため働くことができない
病気やケガにより、今まで従事していた仕事ができない状態である必要があります。
医師の指示による療養中であれば、入院・通院のどちらでもOKです。
② 連続して4日以上休んでいる
仕事ができない状態となり、休み始めてから4日目からが給付の対象です。
③ 休んだ期間に給料等が支払われていない
支給対象期間に働いておらず、給料などが支払われていない必要があります。
ただし短時間でも働いている場合は、その日は給付の対象となりません。
支給される金額
傷病手当金として支給されるのは、自分の給与の約2/3。
厳密には下記の手順で算出されます。
- 休む直前までの12カ月間の標準報酬月額の平均額を計算
- 標準報酬月額から平均日額を計算(30で割る)
- 平均日額から1日あたりの支給額を計算(3分の2とする)
傷病手当金の申請方法
傷病手当金の申請方法を順に紹介します。
① 傷病手当金申請書を入手&印刷
会社を休職するときに傷病手当金の申請書、および申請方法について書かれた資料が一式がもらえます。
② 傷病手当金申請書に記入
印刷した傷病手当金申請書に必要事項を記入、印鑑(認め印でOK)で押印します。
申請書は2枚ありますが、この時点で記入するのは1枚目のみ。
『療養をするため休んだ期間』について記入する部分がありますが、待機期間があったとしても休み始めた日にちを含めた期間を書きます。
③ 医師に傷病手当金申請書に記入してもらう
傷病手当金申請書の2枚目の下部に『療養を担当した医師が意見を記入するところ』という欄があるので、通院した時に医師に記入を依頼します。
なお、記入してもらうのは申請書1枚目の『療養をするため休んだ期間』を過ぎてから書いてもらいましょう。
④ 会社に傷病手当金申請書を送付する
自分で記入&医師に記入してもらった傷病手当金申請書を会社に送付します。
その後、会社の担当者によって申請書2枚目の『事業主が証明するところ』という欄を記入、会社が所属している保険組合に送付してもらえます。
⑤ 保険組合による審査
保険組合により、傷病手当金が支給されるかどうか審査されます。
初めて申請する場合はOKな場合が多いですが、微妙なのが同じ病気で2回目の申請を行う場合。
初めて申請してから1年6カ月以内であれば残りの期間が支給されますが、過ぎてしまった場合は不支給となる場合も・・・
ただし、復帰してから数年経っている&薬も飲んでない場合は『社会的治癒』とみなされて支給されることもあります。
支給される場合、事前に支給金額&支給日が書かれた支給決定通知書が送付されます。
⑥ 傷病手当金が支給
傷病手当金が会社経由であなたの給与口座に振り込まれます。
また、申請のタイミングによっては会社で月々の保険料や諸費用が引かれた金額が支給されます。
傷病手当金の注意点
傷病手当金を申請する際、注意すべきことが2点があります。
注意点① 支給期間は限度あり
傷病手当金が支給されるのは支給日から1年6カ月の間だけです。
もし途中で復職し、再び数カ月後に傷病手当金を申請する場合、支給される期間は1回目の支給終了日までです。
注意点② 支払われるまでに時間がかかる
傷病手当金が支払われるのは休職開始から2~3カ月後です。
このため、当面の生活費をすぐにおろせる口座に蓄えておいた方がよいです。
僕も休職したとき、生活費&ローン&固定資産税&自動車税&自動車保険などさまざまな支払いが重なり、100万円近く口座のお金が減少したことがあります。

傷病手当金で戻るとはいえ、いきなり減ると大変・・・
まとめ
傷病手当金は病気やケガで収入が途絶えた時には、とてもありがたい制度です。
ただし支給開始までには時間がかかるので、最低3カ月間生活できるぐらいのお金は確保しておきましょう!